社長が4年前に会社を潰しそうになった話

社長が4年前に会社を潰しそうになった話

まあワイは激辛社長と今は住んでんねんやんか。

この4年間誰よりも一緒にいたと思うねん。

雨の日も、風の日も。

友達が遊びに来て朝まで飲んで激酔いして床で爆睡してた日も、台風で窓がガタガタいってた日も、信じてた彼女に三股されて病んで寝込んでた日も、会社のお金が底をつき潰れそうになった日も。

ワイはいろんな社長の顔を見てきたな。

まあ心配とかはしなかったんやけどな。

そもそもワイ猫やし。

なるようになるやろっていう精神で生きてるから。

人間以外はそうやで、実際。

ワイは生まれてすぐカラスに食われかけて足とかボキボキ折れて軽くヘブン逝きそうになってたんやけどな。

カジュアルすぎて。ヘブンが。

そんでな、たまたまや。たまたま可愛い綺麗なおねーちゃんがワイを見つけてくれてやな。

その人がワイをな、見捨てずに病院に連れて行ってくれたんや。

見ず知らずの野良猫や。お金もかかるのにな。

そらワイが今みたいに国民的ヒーローやったら助ける理由もあるやろ。

けどただそこで逝きかけてた無名のホームレスベイビーやねん。なんのバリューがあるねん。

助けてなんのメリットがあるねん。

三途の川まであと5分くらいやったな、正直。

切符くらい買っとこかな?まで言ってたからな。緑の窓口どこかな?くらいな。

頭めちゃいいやろ、ベイビーなのに。

まあワイ高菜先生やから。デフォルト。デフォ天才。

そんでな、身を委ねたわけや。ねーちゃんにな。

それで結局病院で足の切断か安楽死にしよーって事になったんやな。

デットオアアライブオアノーレッグ

けどおねーちゃんが高いお金払ってワイの手術代をやってくれてやな、なんとかなったんや。

足そのままで。

そんでそれから激辛社長に出会って。

その後も足に膿が溜まったりして社長も2回手術代を払ってくれたな。

いくらか知らんけどまあまあアレやな、雪見だいふくに換算したら2000個くらいいくかもな。

3回手術やってよーーやく、今の天才高菜先生が出来上がったわけや。

けどな、あえて言うわ。

ワイはな、たぶん足がないならないでうまくやるとは思うねん。

人間は「足切断しなくてよかったねー!!」って言うやんか。

けどワイはな、無いものを無いなりにやるタイプやねん。

目が見えないなら見えないなりにな、足がないなら無いなりにな。

それが不幸ってことではないねん。

キミも友達と身長も顔も違うやろ。

友達は背が高くてイケメンで足が速いかもしれん。

けどむちゃくちゃ頭悪いこともあるやんか。

なんで因数分解もわからんねん!ドアホ!とかそういうイケメンもいるやんな。

まあうちの激辛社長は方程式からしてわからんらしいけどな。

「X?Y!?ジーザス!!」とか言ってたらしいけどな。

まあええわ。

因数分解がわからんくても、足が早かったらオリンピックいけるやんか。

どんだけアホでも絵がうまかったら世界に通用するやんか。

無いものをねだるなんて無駄やねん。

ワイだけでなく他の猫もだいたいおんなじようなことを考えてると思うで。

これはある意味本質的な【生き方】ちゃうかと思うねん。

足があってよかったなって言われれば、それはそうや。

走り回れるからな。

まあワイは走らん。めんどいし。

まあワイはちゅーるが食えればなんでもいいねんけどな。義務化してほしいわ。ちゅ〜るを食わすのを。猫に。

まあええわ。

社長はな、数年前な、会社ぶっ潰れそうになってクソほど病んでたんや。

だからなんや!おもうやろ。

けどな、そこで潰してたらワイと社長は別々に暮らしてたかもしれんな。

激辛高菜先生なんていう唐辛子ブランドもきっとなかったやろな。

ワイは見てたわけや。

何してんねん思ったな。正直。

猫なら「無いなら無いでよくね?」なのに、人間はそうはいかんな。

何を難しく考えとんねん?思ったな。正直。

当時社長はな、従業員もいるしやな、従業員が「あるはずのものが無いと困ります!!!」って言うからやな、じゃそれを補償しようかとか補填しようかとかそういう話になってコストがかかってや。

そのコストを社長が寝ないで働いて稼いでたらしいわ。泣きながらな。

従業員に贅沢させるため、自分の身を削って「うへぁ」とか言いながらウーロンハイ飲んで寝落ちしてたな。社長。

ワイは猫やからな。あんまその意味がわからんねん。けど奴が飲むときは飲みに付き合ってニャーとかは言ってたな。

それで社長が「たかにゃん、ありがとう🥺」というからな笑

クッソ笑うやろw

まああったんやろな、いろいろ。

会社潰すくらいならもっと利己的に生きたら良いやんか。

病むくらいならもっと利己的に生きたいやんか。

やりたいことやりたいやん。

「それができないのがリアル」

そう言われればそれはそうやな。

だから難しいんやな。

まあワイは猫としてな。

この激辛社長とかいうジジイと付き合うことにしたんや。

その代わり、ワイの面倒も一生見てもらうんやけどな。

まあいけるやろ。